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【時視各角】文大統領の健康問題

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.07.02 14:22
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大統領中心制の国で「大統領の健康」は憲法ほど重要だ。憲法の最終守護者が大統領であるからだ。大統領は国家の心臓の役割をする。大統領が軽く風邪をひいても世の中の人々が敏感に反応するのはそのためだ。

筆者は数十年間にわたり政治部で記者生活をしているが、今回の文在寅(ムン・ジェイン)大統領のケースのように公式日程が1週間まるごと空いて公開されたのは初めてではないかと思う。実際、健康問題といえば70歳を超えて執権した金大中(キム・デジュン)大統領の任期末のように深刻な時期もなかった。当時、筆者は青瓦台(チョンワデ、大統領府)を出入りしたが、金大統領は執務室ではなく官邸で主に業務をするほど頻繁に、持続的にコンディションが悪かった。当時、朴智元(パク・ジウォン)秘書室長の周到綿密な先制的措置、熟練と言わざるを得ないメディア対応などで大統領の健康問題が全国民の心配事にはならなかった。

 
超特級保護および管理対象という観点で大統領の健康問題を扱う現在、任鍾ソク(イム・ジョンソク)大統領秘書室長の青瓦台には不安を感じる。危なっかしい。官邸を出入りするほぼ唯一の参謀が任秘書室長と知られているが、残念ながら任秘書室長は「大統領は『気力』を回復中」という表現を使った。金宜謙(キム・ウィギョム)報道官の発表に入っている内容だ(6月28日)。気力は「国家の心臓」を描写する言葉として適切でない。任鍾ソク秘書室長の言葉は知らない間に一般大衆や利害関係国の情報機関に、大統領の回復より気力の衰えにさらに関心を持つよう誘導する副作用を起こした。意図とは違う結果だ。このような時は詳しく描写しないのが上策だ。

任秘書室長が青瓦台の参謀が出席する「懸案点検会議」というところで「大統領に正式報告書であれメモ形態でも一切提出しないこと」を決め、さらにこれを公式発表させたのも問題だ。法律家出身であり完ぺきを追求する文大統領の習性上、メール文書を一行も飛ばさず細かく読む姿が、自分たちには気の毒に映ったのだろう。活字依存性向の文大統領の身体的・精神的消耗を最大限に減らそうとする配慮だったはずだ。

しかし国内外に批判者や攻撃者がうようよといるジャングルのような現実で、そのような善意や内部事情は通用しない。ワールドカップ(W杯)サッカーで見られるように、多くの国がライバル国の弱点を見つけて失敗を期待している。わずか数日間でも大統領が重大な意思決定を遅滞したり中止したりできない理由だ。国家の心臓は少しの間でも止まってはいけない。百歩譲って大統領が報告を受けることを中断したとしよう。それでも青瓦台報道官がその事実を世界に公表するのはどういうことなのか。

ある情報筋は「文大統領の病状は肉体の問題というより、回復の兆候が感じられない庶民生活、希望の突破口を見いだせない経済政策からくる心的ストレスが根本的な原因」と伝えた。なかなか成果を出せない経済ラインにまず責任があるということだった。文大統領の健康問題は主治医が診断したように疲労の蓄積が直接的な原因だろう。しかし経済参謀の政策的な無能に政務ラインの不適切な対処が重なったことで、それ以上に深刻になった側面も看過してはいけない。

予告されたように大統領はきょう業務に復帰するだろう。健康な姿でテレビに現れることを心から祈る。文大統領はもう参謀に温情を抱かないことを望む。いま青瓦台に必要なことは温情主義でなく信賞必罰だ。青瓦台の参謀陣が互いにかばい合う風潮を懸念する人が増えている。青瓦台はただ大統領一人のための組織として単純化するべき時だ。

チョン・ヨンギ/中央日報コラムニスト

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